エクスポネンシャルライフ

青空と緑、ドライブとグルメ、別荘と小径

愛するものとの出会いが人生を左右する

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自室のテレビを処分してから久しいが、それでもネット上の動画で

明石家さんま師匠の出る番組は時間を置いても必ず見るようにしている。

 

理由は簡単で、「歳を重ねても常に笑いに対して貪欲である姿」

を目に焼き付ける為である。

 

実は自分は若かりし時代の師匠の人気番組の数々のほとんど

をまったく見ていない。

 

記憶にあるのは笑っていいとも!でのタモリさんとの雑談コーナーと

ひょうきん族でのブラックデビル時代のみだろうか?

ドラマも一切見ていない。

 

その当時ノリノリの師匠の番組を見ても何も感じなかったと思う。

 

天才的な才能の持ち主が時代の流れに見事に乗って成功している

当たり前の姿を見させられても面白いとは思えなかったのかもしれない。

 

だがここ数年、特にご自身が引退を予定されていた60才前後から

さんま師匠の番組はネットで追っかけ視聴して出来るだけ見るようにしている。

 

当時も、そして今も本当の意味では分かっていないかもしれないのだが

師匠の笑いに対する凄まじいまでの矜持がやっと分かってきたからなのかもしれない。

 

そして今後の自分がその年代に差し掛かった時、最前線で活躍し続けるには

どのような秘訣があるのだろうかと目を皿のようにして分析しているのだ。

 

その為、ここ最近は必然的にお笑いの世界というものに対して

多少の知識を持ち合わせるようになった。

 

そんな中、先日見た師匠の番組に非常に興味を抱いた場面があった。

 

そのやりとりがあったのは先日放送された「明石家笑業高校修学旅行」

という特番の中での出来事だった。

 

番組の内容は明石家さんま師匠と実力派のお笑い芸人数十名が2日間に渡って

東京から京都への旅行の間、ただひたすらボケ倒すという素晴らしい企画だ。

 

自分が番組全体を通じての感想は、明石家さんま師匠ご自身が若手として

出演されていた伝説の番組「ヤングおー!おー!」での桂三枝師匠(現文枝

の役割を見事に引き継いで、将来性のある若手芸人を縦横無尽に回されていた姿に

まるで時代を超えた現代版の「ヤングおー!おー!」を見させてもらっているようで

非常に感慨深かった。

 

その番組内で、現在も大人気で将来的には今後のお笑い界を牽引していく存在になって

いくであろうミキの昴生さんがさんま師匠にどうしても聞いておきたいという質問が

あるという場面があったのだが↓以下

 

「前、駐在さんに出させて頂いた時に(注 今年2月に大阪行われた公演。

自分はこの動画が面白すぎて5〜6回は見ている)、

laughmaga.yoshimoto.co.jp

個人的なあれで申し訳ないんですけど・・・

本番始まる直前のリハーサルで

ボクが出てって、さんまさんが来はるんですけど

そこで

「おー、キダタローの息子」って言われたんですよ。

でボク、なんの事か分からへんくて、それ言われた時に。

えっ?どういうこと?ってなったんですよ、急で。

キダタローさんに息子いはって、その人がボクそっくりなんやと思って

なんか、ハイっ!て言うしかなかったんですよ。

で、それ本番でも言われて返すことできへんくて。

で家帰って相談したんですよ、同期に。

あれ返されへんかったんやけど、どう言う事かなあって・・」

 

つまりミキの昴生さんは、今年2月に行われた公演の

たった一回のやりとりの「正解」をこの番組収録があるまでの

数ヶ月間ずーっと考えながら(当時相当落ち込んだらしい)

過ごしてきたと言うのだ。

 

自分はこの公演を時々見返しているのだが、昴生さんのこのシーンに関しては

さんま師匠が昴生さんのイジられキャラを活かす為に

お得意の追い込み芸(そんな芸あるのかしらんが、例:「例えば?」「なんでや?」)

で追い込まれた芸人のギリギリの反応で笑いをとる、ある意味「正解」だった

ように思っていた。

 

実際、この直後の場面で実力派の中川家 礼二さんでさえも

さんま師匠からの新しいフリに適応出来ずw素の返しで笑いを誘っていたし、

この質問そのものに対しても今田耕司さんからの厳しいダメ出しで笑いを生んでいたの

だが・・・。

 

昴生さんのようなプロとして生きる人の視点では違っていたようだ。

 

本気である世界の頂点を目指そう、もしくは生きていこうという人たちには

このような些細な部分でのミスやズレにものすごく敏感だという事だろうか。

 

考えてみれば、さんま師匠自身が現在も自分の出演番組を後で必ず見直し、

「あの時、ああすればもっと良かったんちゃうか。」と自己検証しているのは

有名な話だ。

 

そこまで自分の仕事に全力でコミットメントしている若手と大御所芸人の姿を

見るにつけ

「好きこそものの上手なれ」

の意味を本当に噛みしめている。

 

自分は毎日毎日の業務をただ「こなして」いけばいいだけの

いわゆる単純労働者と言える立場におり、

ある閾値を越えれば、そこからスキルを限界まで「向上」していっても

報酬には一切反映されないし、評価もされない。

 

そんな男であるがゆえ、さんま師匠や昴生さんのような自分の仕事・役割に対して

真摯に立ち向かう一流芸人さんの姿を見るにつけ

「この人のモチベーションはいったいどこから湧き上がってくるのだろう」

と、常に感心させられているのだ。

 

番組の中で見る彼ら一流芸人は確かに成功したいと思ってはいるのだろうが

稼ぐ為だけにお笑い芸人をしているとは到底思えない場面に遭遇する。 

 今田耕司さんに至っては現在のTV界において欠かせない役割を果たしているにも

関わらず、この番組内では未だに若手芸人を差し置いて全裸で出演している(爆)

彼らは、根本の部分でお笑いが大好きで、笑いが人の人生を変えて

しまう場面に出くわしたとか、笑いが生む人の繋がりに心を奪われてしまったとか

、要するにお笑いを心の底から愛しているに違いない。

なんでもいい。

 

自分が心の底から好きになれるものに出来るだけ人生の早い段階で

出会えたかどうかが人生の質を左右するようだ。