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ポルシェのアンケートに真剣にこたえてみた

f:id:mrnancy:20190902224644j:plainPhoto by Mike Von on Unsplash

 

先月末にポルシェジャパンから
「車に対するアンケートのお願い」というメールが届いていた。

 

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「今後より良いスポーツカーを皆様にご提供するため」

という文面がいかにもポルシェらしい自負が感じられる。

 

いつかポルシェファンからポルシェオーナーにしたいものだ

 

深夜にブログ記事をやっと書き上げた後で、だいぶ疲れていたのだが

「アンケートくらいならチャチャっとやっちゃうか」

とあまり深く考えずにアンケートを始めたのだが・・・

 

とてつもなく本格的なアンケートだったw

 

「車に対する価値観に関するアンケート」という

ネーミングは伊達ではなかった。

 

先日、ブログで似たような名前の記事を投稿していた

ので、少し誇らしげな気はしたがw

tokyomesen.hatenablog.com

 

質問の文言もかなり吟味されており、

本格的な統計専門の会社を通じて、今後綿密に分析されるような

内容だった。

 

始めた当初は疲れてぼーっとしていたのだが、すぐに

「これは本格的なクルマの価値観の聞き取り調査だw」と

気づき、ポルシェへの敬意から真剣に回答を始めた。

 

今回はアンケートの内容を記憶の限りになるが

逆分析して、今後のポルシェの行き先を占っていこうと思う。

 

まず今回のアンケートはポルシェが

「2019年はタイカンの年」とまで力を入れている

新型EVスポーツカー”タイカン”に関する質問がほとんどを占めていた。

 

アンケートが来たのはタイカンのワールドプレミアを数日後に

控えた時だったので当然といえば当然だろう。

 

面白かったのは、

まず現時点でのタイカンに対するイメージを聞いてきた後、

航続距離や充電時間などの公式情報を新たに与えた上で

改めて「イカンに関する印象に変化があったかどうか

を質問してきたことだ。

 

さまざまなメーカーの行う一般的なアンケートなら

1回の質問で終了する所を、新たな情報を与えてから

その後の心境の変化を聞いてくるパターンは初めての経験で、

まるで大学や研究施設が行うような社会心理学の実験みたいな

質問だった。

 

今回のポルシェのタイカン発表までの流れの中で

アジア市場で重要視されていたのはお隣の中国で、

日本は蚊帳の外のような印象だった。


Kicking off in China: the Porsche Taycan prototype visits Shanghai

 

巨大な中国やアメリカの市場規模からすると当然の事だろうが 、

イカン発表までのポルシェの日本における情報提供は

空冷の時代から長くポルシェを愛し続けてきた人々がいる

日本市場を後回しにしているような印象を持っていた。

 

日本ではトヨタ プリウスを筆頭にハイブリッド車

普及が進んでいる事や、日産リーフが象徴する「電気自動車」

もすでに認知されている事、おまけにテスラも高級EV車として

すでに認知されている状態だから、市場に新たなインパクトを

出す事が難しかったのだろうか?

 

また日本の充電インフラ自体、タイカンが必要とする強力な充電器が

普及していない事もあって大々的なキャンペーンを張れない事情も

あったのかもしれない。

 

日本一のポルシェブログ「ポルシェがわが家にやってきた」の

イカン発表前の最終レビューは2019.01.09で実に8ヶ月前の事だ。

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自分勝手な推測だが、もしかすると

ポルシェとしてはタイカンの事前告知に関して

日本市場に十分なアプローチをしてこなかった事を

自覚しているが故に、このようなアンケート調査を

行っているのではないかと考えた。

 

要するに「車に対する価値観」は名目で

「電気自動車に対する日本市場の価値観」を調査する

アンケートだったのではないだろうか?

 

ところで皆さんは、ポルシェと競合するメーカーというと

どこをイメージするだろうか?

 

多くの方は高級スポーツカーメーカーとしてのポルシェを

イメージするだろうから、フェラーリランボルギーニ

筆頭に来るのではないだろうか。

 

だが今回のアンケートでは各ブランドのイメージ調査の質問に

上記2社は省かれており、メルセデスベンツアウディBMW

VWジャガーなどのEVカーをすでに市場に送り出している

メーカーが比較対象として上がっていた。

 

余談になるが、かなり細かい質問「高品質・安全性・先進性など」

に答えていったところ、自分はポルシェとBMWが最高点だった。

自分がBMWを高評価しているのを改めてアンケートで知った次第だ。

 

今回のアンケートを終えてから、まず感じた事は

「ポルシェは電気自動車に本気だ」

という事だった。

いや、もしかしたら本気どころの騒ぎではないのかもしれない。

 

アンケートの質問の量と執拗さから

ポルシェというブランドが近未来に果たして生き残れるのかを

真剣に考えている様子がひしひしと伝わってきたのだ。

 

もしかしたら我々が思う以上に、ポルシェの経営陣は

冷や汗をかきながら近未来の社会での生き残りを模索

しているのかもしれない。

 

このブログを書いている時点でタイカンのワールドプレミアは

終わっている。

 

イカンについてはいろいろな情報が出回ってはいるが、

根本のところで

「ポルシェはタイカンを心底作りたくて作ったのか?」

は疑わしい。

 

イカンは時代の要求に沿って作らざるを得なかった

クルマのように思う。

その過程でさまざまなノウハウを得る為の実験車両とでも言うべきか。

 

イカ

全長 4,963mm

全幅 1,966mm

空車重量 2,380kg

 

パナメーラターボ(SEハイブリッド)

全長 5,049mm(←)

全幅 1,937mm(←)

空車重量 2,070kg(2,385kg)

 

パナメーラターボとは実に310kgの重量差。

 

だが思い返せば、カイエンもポルシェの経営危機を

救う為に生み出された奇跡のクルマだった。

 

イカンも将来、ポルシェの運命を決めたと言われるような

1台として歴史に残るのだろうか?

 

アンケートの各ブランドイメージ調査の部分に

ポルシェらしい質問があった。

 

『原点を大切にしているか?』

 

時代に即したクルマを作る事はもちろん必要だと

思うが、ポルシェには

小型・軽量・高効率に優れたスポーツカー

常に作り続けて欲しい願う。

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