Amazon prime video "ザ・ボーイズ”がヤバかった！を検証してみた
今月の始め、Amazon prime video"ザ・ボーイズ”がヤバかった！
という小ネタに近いような記事を投稿をした。
久しぶりに心踊る海外ドラマに出会えた喜びから、
特に気負いなく皆さんに紹介したつもりでいたのだが・・・↓
当ブログは決して多くの人が訪れているわけではないのだが、
ここ最近この記事がジワジワとアクセス数を伸ばしているのだ。
実は『ザ・ボーイズ』は7月下旬の配信開始から
「たったの2週間」で過去のAmazon prime videoの中で
最も再生されたドラマとなっていた↓
前回は軽い紹介で終わらせてしまったが
今回は海外ドラマ狂歴、数十年の視点で
このドラマがいかに素晴らしい作品であるのか、ネタバレなしで
できるだけ初心者にも理解できるよう少しだけ深掘りしてみたい。
The Boys - Official Teaser [HD] | Prime Video
日本のドラマでは聞きなれない言葉かもしれないが、
海外ドラマではシーズンを通してその番組の基本的
流れをリードする「ショーランナー」という存在が極めて大きい
役割を担う。
ショーランナーの頭の中で具現化したイメージを
出来るだけ忠実に現場で再現出来るか否か？
そもそもショーランナー自体が極めて才気溢れる
人物なのか？
ショーランナーが最終的なジャッジを下した俳優たちが
果たして番組内で輝けるのか？etc
無数の不確定要素が絡んだドラマ作りの中で全てが調和し、
奇跡的な作品を生み出す事がある。
2019年に限って言えば
HBOの”Chernobyl”と今回の”ザ・ボーイズ”がそれに該当すると思う。
実際の所、Chernobylはミニシリーズ映画なので、連続ドラマシリーズ
としては”ザ・ボーイズ”が今年最大の収穫だ。
Chernobyl (2019) | Official Trailer | HBO
本作のショーランナーであるエリック・クリプキは
元々は現在までなんと15シーズンも続く人気ドラマ”スーパーナチュラル”の
クリエイターだ。
長い人気を誇るドラマを手がけ成功した事があるショーランナー
はその実績から業界内のネットワークを通じて、
良い企画に早くから触れやすいし、予算も多く組まれやすい。
そもそも彼ら自身が才気あふれる人物であるので、
企画立案のみならず、脚本・演出・プロデューサー・監督を
一人で担う事が出来るほどのとてつもない実力があるのだ。
今回の”ザ・ボーイズ”はそれら過去のドラマ製作時に培った
あらゆる知見が盛り込まれているに違いない。
だが・・・世界は広い。
ここまででも凄い事なのだが、
ここから先は運の話になる。
キャスティングだ。
クリエイター達が作り上げた素晴らしい脚本と
練りに練ったプロット、さらに美しい舞台装置が
用意されていたとしても
俳優達がそこで輝かなければ1シーズンも経たずに
ドラマは打ち切られる。
（ザ・ボーイズは早くもシーズン2の制作が決まっている）
”ザ・ボーイズ”の出演者達はビリー・ブッチャー役の
カール・アーバン以外はほぼ無名の俳優たちだ。
恐らく企画段階でAmazonから多大な予算を勝ち取っていた
にも関わらず、あえて無名の俳優達を集めたのも
ショーランナーの過去のテレビ制作で得た知見と直感だろう。
過去の名声に囚われていない無名俳優のモチベーション
やクリーンなイメージを利用するメリットを考えての事だろうが
最終的には俳優間での相性やストーリーと
演技スタイルのマッチング等、番組を作り始めなければ
わからない怖さもある。
だが本作はその部分も素晴らしく、それぞれの演技が輝いている。
特に本作で一躍名を上げたAntony Starrの演技は鳥肌モノだ。
将来必ず何度も名前を聞く俳優になりそうな予感がする。
名作ブレイキング・バッドのシーズン終了後、当時は無名だった
ゲスト俳優達が現在映画やテレビで続々と活躍中なのも、
ショーランナーだったヴィンス・ギリガンの俳優を選ぶ目の
確かさが一因でもあるに違いない。
”ザ・ボーイズ”のストーリーに関しては語らないでおくが、
もしまだ未視聴の方がいたら、ショーランナーという役割が
ドラマシリーズでは極めて重要な位置を占めている事と
ちょっとした脇役ぐらいでしか出てこない俳優でも、
実際には練りに練られてキャスティングされた俳優の可能性が
高い事をぜひとも知っておいて欲しい。
しばらくAmazonとNetflixからは離れられそうもない・・・
