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ロールスロイスに乗る器量とは?

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Photo by Philippe Oursel on Unsplash

Youtubeで主に輸入車の試乗インプレッションを見る時には

必ず高級輸入中古車販売のロペライオさんのチャンネルを見るようにしている。

 

本来なら中古車販売にのみならず、ありとあらゆる商品を売る為の

セールストークは「あれもこれも良いですよ」というグッドポイント推しが

普通だと思うのだが、ロペライオさんの試乗インプレッションは違う。

 

グランドツアーの3人組ほどの辛口ではないが、メイン進行を務める

ロペライオの川久保さんや同僚の方々は

「ここがちょっとな〜」

「これ高くない?」

「普通だよねw」etc

といったセールスの方とは思えないディスり方をする。

 

もちろんロペライオさんのセールス力でどのような車種でも

顧客の囲い込みなどでさばける自信があるからこそ

正直なインプレッションが出来るのだろう。

 

今回Youtubeのロペライオさんの輸入車インプレッション動画が

200回を迎えたのを記念し、創業者の早水 彰さんが登場する

ロールスロイスファントムⅧの回が自分にとって非常に示唆的な内容で

感銘を受けたのでぜひご紹介したい。


ロールスロイス ファントムVIII 中古車試乗インプレッション Rollsroyce Phantom

 

創業者の早水氏を知ったのは、ロペライオチャンネル100回記念の時だった。


ベントレー コンチネンタルGTスピード コンバーチブル ロペライオチャンネル第100回記念 Bentley Continental GT Speed

 

まずパッと見てすぐわかると思うのだがこの方は只者ではないw

色黒でピシッと決めたスーツに聞き取りやすい声の張りと姿勢。

やさしい目と終始笑顔を絶やさない余裕を感じる物腰。

トークも軽妙で、若かりし頃は前線でかなりお客様とやりとり

してきた方だと感じた。

 

最初にこの回を見た時に、幾多の修羅場をくぐってきた叩き上げの

中小企業社長の中でもさらに凄い人物という印象を強く持った。

 

今回200回目の節目という事で再出演されたのだが、改めて感銘を受けた。

 

そもそもロペライオチャンネルの辛口のインプレッションは

早水氏の指示で戦略的に行われていた事が今回の動画で明らかになった。

 

19歳の時、フェラーリに乗る夢を持って創業した会社を

ここまで大きくした人物だ。時代の先を見る目があるのだろう。

 

「honesty、正直にありのままの姿をお伝えする・・・

中古車は良い所も悪い所もあるわけじゃないですか。

それのすべてを伝えるからロペライオチャンネルに

価値があるわけじゃないですか。

そういうコンセプトで始まってるのがロペライオチャンネルなんだから」

 

ある程度の高価格帯の商品になれば、値段の高い安いより

「ブランド力」「信用」「価値」という所に顧客は重きを置くと思う。

 

上記の戦略の利点はまだある。

 

ロペライオさんの扱う輸入車は中古車なので、仕入れも非常に重要だ。

高い値段を出してくれた業者に売るという単純な競争ではなく

「ロペライオさんなら自分の愛車の価値をしっかり分かってくれたから売ろう」

「ロペライオさんに下取りに出して、正規ディーラーではなかなか買えない車を買おう」

「ロペライオさんならメーカーに捉われずいろいろな選択肢から買える」

といった「信用」を基盤とした購入サイクルが生まれてくるように感じる。

 

さて、ここからが本題になるのだが

動画で早水氏の車遍歴について川久保さんが突っ込んでいるのだが

19歳からいままで「とんでもない数のクルマに乗っていて覚えていない、

ただランボとロールス以外は全部所有した事あるのかな

とおっしゃっているのに驚いた。

 

最近ツイッターを再開したのだが、クルマ関連のフォローをしていると

リツイートされたりするタイムラインにプロフィールや添付画像が

ランボルギーニオーナーや超高級車の所有者であることを誇示するような

ものが次々に流れてくるのが目についた。

 

最近だとYouTubeでUPされた↓がバズっているようだ。


ついにセイキン、新車のランボルギーニを購入!ペーパードライバーヒカキンが運転して大暴走。。。【ランボルギーニ アヴェンタドールS】

 

早水氏のような本業も趣味もクルマで何台所有したかわからないと

おっしゃるような人でもロールスロイスランボルギーニはある意味特別な

ものを感じているようだ。

 

今回の動画の最後にロールスロイスに関して早水氏はこう締めくくった。

 

自分には凄すぎちゃうかな

カッコいいし、エレガントだし、迫力もあるんだけど・・・

カッコ良すぎちゃって、そこに乗ってる自分を想像するとちょっと違うかな」

 

あくまで個人の感性とおっしゃる早水氏だが、ことロペライオが日本で一番

ロールスロイスファントムの中古車を販売していると自負もされている。

 

誰よりもロールスロイスランボルギーニが似合いそうな方なのに

「自分にはまだまだ」と謙虚な姿勢を隠そうとしない早水氏。

 

それに比べYouTubeやさまざまなSNSでは個人投資家やYouTuberさんや

謎の職業の人たちがロールスロイスランボルギーニ

おもちゃのように購入し、狭い道路や街中を爆音とともに我が物顔で走っていく。

 

結局のところ、どんなクルマでもカネで買える。

ツイッターでマウンティングしている方々やYouTuberさんたちは

この絶対ルールに従っているだけだ。

 

だが買うカネはあるけど、自分にはまだまだ似合わない・・・

 

まるでそう言っているような早水氏のような人こそ

ロールスロイスランボルギーニのようなアイコン(偶像)

を乗るにふさわしいと感じてしまうのは古い感性なのだろうか?

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Photo by Dennis Ottink on Unsplash