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デミオの911ラストデイ試乗

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先日、車検でマツダのディーラーに

愛車アクセラを入庫してきた。

 

入庫日は令和元年9月11日で911の日だw

 

ディーラーが入庫指定してきた日が

偶然にも911の日であったので、

今後のポルシェを目標とした運命を

勝手に感じてしまった次第だ。笑

 

そして今回、ディーラーが代車として

貸し出してくれたのはデミオ13Sだった。

 

実は車検入庫日の9月11日は

偶然にもポルシェ911の日だけではなく

マツダにとっても歴史的な日だった。

 

日本国内で1996年の初代から愛されて

続けてきたマツダのコンパクトカー

デミオ

という名称が2019年9月12日より

海外仕様の名称である

『MAZDA2』

に改称される事となっていた。

 

つまり、9月11日はデミオという

名のクルマが販売される

ラストデイでもあった。

 

デミオからMAZDA2への改称に

伴い、ほとんどのマツダ車の

ラインナップの名称が海外と

同じ呼称になった。

(軽自動車・ロードスターは除く)

 

デミオアクセラアテンザ

プレマシーMPVなどの愛称は

全て過去のモノとなってしまった・・・

 

ちなみに自宅の家族使用のクルマは

3代目のデミオである。

 

クルマを長い間使用している

一般人にとっては、自分の愛車の名称

が消えてしまう事態はなんとも言えない

さみしい思いがあるはずだ。

 

だが名称は変わっても、デミオから

引き継がれたマツダというメーカーが

考えるコンパクトカーの概念は

MAZDA2にしっかりと引き継がれるだろう。

 

MAZDA2は大幅な改良をされて発売される

ため、今後中古車市場にはMAZDA2

買い換え時に下取りに出された

デミオが増加するのではないだろうか。

 

今回はデミオのラストデイ試乗と銘打って

自分が新鮮な気持ちで乗ってみた感想を

率直にお伝えする事により、今後デミオ

中古車を購入検討している方々の参考に

なればと思っている。

 

 デミオ13S AWDインプレッション

 外観・内装

3代目デミオに乗り慣れている為、

クルマ全体の外観やサイズに

違和感はまったく感じない。

 

クルマ全体から感じられる

塊感のようなものは

日本の数あるコンパクトカーの中でも

飛び抜けてスタイリッシュで

車体の凝縮感とフロントライトからグリル

にかけての造形はマツダの全車種に通じる

”魂動デザイン”が確かに感じられる。

www.mazda.co.jp

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今回の貸出車はアークテックホワイトだが

街中の様々なカラーのデミオの中でやはり

ソウルレッドクリスタルメタリックの

鮮やかさが際立つ。

 

女性の色彩感覚は遺伝的に男性より高い

らしいが、女性がデミオを選ぶ要因の一つに

クルマのデザイン性と共に色彩の鮮やかさ

が上げられると思う。

 

だがその分、実用性は犠牲にしているようだ。

 

荷室は後部座席を倒してもフルフラットに

はならないし、後部座席の足元の狭さや

ルーフと頭頂部との間の狭さなどは

最新の軽自動車などと比べてもあきらかに

劣る。

 

どう考えても、実用上で2人までが

このクルマの適正乗車人数だ。

 

だが、それを補って余りあるのが

フロントシート周りのインテリアの質感だ。

 

マツダ公式HPのMAZDA2(デミオ)

のサイトは

高級女性ファッション誌のグラビアを

彷彿させるような、洗練された美しい

女性たちの都会生活に溶け込んだ

MAZDA2の姿を切り取っている。

f:id:mrnancy:20190913203522j:plainマツダ公式HPより

良い意味で”可愛いらしい”ところがない。

黒を基調とした、洗練された大人の女性・

男性が乗るにふさわしい質感だ。

 

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というか、現代のコンパクトカーは

このレベルが普通なのだろうか?w

 

他社のクルマと乗り比べていないので

分からないのだが、いずれにしても

内装に関しては不満が見当たらなかった。

 

乗車後のインプレッションは

休日と重なっていたので街中の舗装路から

ワインディングロード、舗装が荒れた

山坂道など大分走り込んだ感想だ。

 

運転席ドアの重厚感あふれる開閉音は

乗る前からこのクルマの剛性を

象徴するようだ。

 

エンジンはプッシュスタート式なのだが

これがまた良い音を出してくれるので

走り出す前から気分を高揚させてくれる。

 

そして、シートがまずしっかりと体を

ホールドしてくれる。

 

マツダというメーカーは

常日頃ドライビングポジションという

ものの重要性を喚起してくれる

日本でも稀有の存在なのだが、

やはり一味も二味も違う。

 

運転中に最も長い間、体を預ける

シート自体にお金をかけている

印象でいつまでも座っていたい

と思わせるようなフィット感があった。

 

そしてなんといってもオルガン式の

アクセルペダルの感覚が素晴らしかった。

慣れもあるのだろうが、とにかく

一体感が半端ない。

 

あとでウェブで調べてみると

ペダル位置まで吟味したようだ。

 

すごいぞ!マツダ

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マツダHPより

 

欧州の高級車ユーザーはぜひセカンドカー

の候補にデミオを入れていただきたい。

 

恐らく普段から苦労されている駐車場問題や

狭い道での取り回しなども、オルガン式ペダルは

共通だからちょっとした買い物や小用などは

デミオですましてしまえると思う。

 

今回の代車はディーラーのサービスカー

でありながらもオプションがフル装備の

状態だった。

 

操作系はダイヤル式のコマンド

コントローラーがシフト下に鎮座する。

 

以前は欧州の高級車にしかついて

いなかった印象のコンローラーが、

現代のコンパクトカーには

普通についているのかよwと

あきれながら笑っていると、

 

今度は、画面やドアミラーに

表示される警告から

レーンキープアシストや

前方のクルマの検知機能、

後方からのクルマの接近通知など

ここでは書ききれないほどの先進

安全技術がこのクルマに搭載

されている事も分かってきた。

 

確かに素晴らしい機能なのだが、

本当に微妙な操舵をしたり

しっとりとブレーキングをしたい

場面で電子制御と思われる介入が

常に入り、正直ストップアンド

ゴーが続く街中では違和感を

感じる場面が多かった。

 

ただし運転中の疲労感の無さや

安定感は抜群だった。

 

人命を最優先する為に

あらゆる事故防止機能を

作動させるのは当然で、

市街地だからこそ

電子制御の介入するケースが

多いのだろう。

 

では、山間部の

山坂道はどうだろう。

 

いつも軽井沢へ抜ける裏道の

山坂道があるので、あえて

そこをがっつり走ってみた。

 

結論を言うと、舗装にツギハギ

をしてある場所や段差の多い

場所では大きな突き上げを

終始感じた。

 

まるで何かのアトラクションを

やっているかのようで、

とても乗り心地が良いとは言えない。

 

ホイールベースが短い事や

車重が軽い事が完全に裏目

出ているような印象だった。

 

慣れた山坂道だったので

あえて攻めてみたのも事実

なのだが、とはいえクルマ全体

からはミシリとも異音はしない。

 

とてつもない剛性感だ。

 

逆に剛性が高いからこそ

クルマ全体が揺れる感覚が

目立ってしまうのか?

 

不快なのはタイヤの細さからくる

たわみや比較的硬め?のサスから

の衝撃らしく、もしかしたら

クルマをさらに走らせる事

によりサスがしなやかになるか、

もしくはタイヤを適切な太さの

ものに変えるかすれば、多少は

改善されるのかもしれない。

 

このデミオには

スポーツモードのスイッチが

あるので、いろいろな場面で

入れてみた。

 

アクセルのレスポンスが上がる

そうなのだが、なんらかの振動?

(エンジン回転数が上がったのか?

詳細不明)が発生するのは分かったが

確かに多少レスポンスが上がったかな?

くらいの感覚で目立った違いを

感じられなかった。

 

先述の山坂道でもスポーツモードを

入り切りしたのだが、むしろ切った

ほうが振動がなくなる分快適だった。

 

デミオが一番輝いていたのは

比較的長い直線が続く

ワインディングロードだった。

 

6速ATとマニュアルモードを使い分け、

素晴らしい座り心地のシートに身を沈め、

軽量かつ剛性感溢れるシャーシに、

路面の状況によってトラクションを

切り替える抜群の安定感を誇るAWD

ステアリングの感触も市街地での軽い

感じからしっとりとした重さが加わり、

 

このまましばらく走り続けたいな・・・

 

と感じさせてくれた。

 

恐らく直近にラインナップされていた

排気量が1500ccのデミオこそ

最高のチョイスなのだろうと想像出来る。

 

夜間走行もしてみたが、

LEDヘッドライトの白色度が高く

大変見やすい上に、

ハイビームの状態で前方車や

対向車を検知して自動的に減光する

アダプティブ・LED・ヘッドライト」

の動作も秀逸だった。

 

これも、ひと昔前の高級車の装備だ。

 

今回、車検の代車でお借りした

デミオだが正真正銘の

「プレミアムコンパクト」カー

だった。

 

このクルマに乗っていると、

以前にも頭に浮かんだ

『クルマというモノへの価値観』

に対する疑念を再度投げかけてくる

ような素晴らしい完成度だった。

tokyomesen.hatenablog.com

たかだか60kg近い重さの人体を運ぶ

装置としてクルマを見るなら、

ポルシェとデミオのような

100万円台で購入

出来るコンパクトカーのどちらが

優れているのだろうか?

 

自分は両方所有したい。

 

両者は価格はだいぶ違うが

クルマづくりのベクトルは

極めて似通っていると思う。

 

かたや人馬一体、

かたや小型で軽量、

エネルギー効率に

優れたスポーツカー

 

今回偶然にもデミオと言う名前

での最終日の試乗によって、

改めてクルマというモノの進化の

凄まじさと素晴らしさを感じることが

出来た。