エクスポネンシャルライフ

青空と緑、ドライブとグルメ、別荘と小径

セールスとブログ運営の極意とは何かをかんがえてみた

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自分が過去出会った人たちの中で

恩師やメンターといったような

人生における生き方の指南役のような

心から尊敬できる人物が

本当に本当に数少ないが存在する。

 

先日記事にした「結婚と成功の関連性」に関する

ブログの中で、企業人として一定の成功を収められた

ご主人をお持ちの奥様Sさんその人である。↓

tokyomesen.hatenablog.com

Sさんとの出会いはもう約20年程前にさかのぼる。

 

当時、隣町に新規オープンした家電量販店に

自分がパソコンの販売担当で入社し、Sさんは

その街にお住まいのパートタイマーさんとして

入社されたのが始まりだった。

 

Sさんは当初、

小物商品の陳列や店内のクリンリネス業務、

レジやその他諸々の特に担当などは決まっていない

フリーの立場だったと記憶している。

 

Sさんは当時、特に生活に困る事もなく

専業主婦のままでもよかったらしいのだが、

お子様2人がいずれも大学生となられて

それぞれ1人暮らしを始めたため

自宅では暇を持て余し始めていたのと、

働いたお給料をお子様2人のお小遣いの足しに

したりできるのと、職場が自宅に近いこと

もあって軽い気持ちでパートさんになられたそうだ。

 

それから、しばらくするとちょっと変わった現象が

お店で発生しだした。

 

通常、冷蔵庫や洗濯機の大型製品の販売には

商品に詳しい専任販売員や製造メーカーの

派遣社員などがコーナーに常駐して接客するのだが、

その人たちを差し置いてSさんの方が

売り上げを出すようになってしまったのだ。

 

パートさんなので販売の常駐員よりも明らかに

1日の出勤時間や日数も少ないのにも関わらずだ。

 

多分最初はコーナーに人手が足りない時期があって

Sさんが短時間だけ駆り出され

お客様とお話しして時間を稼いでいるうちに

専任担当者に引き継ぐような感じだったのだろう。

 

Sさん「私も主婦だったし冷蔵庫とか洗濯機を

使ってたからある程度の事は知ってたけど、

新しい機能だとかそんなのわからないから

お客さんと一緒にカタログめくりながら説明してたわよ(笑)」

 

さらに・・・

 

Sさん「なんかメーカーから表彰してくれるって

いうんだけど東京でやるからって、そんなとこ主婦が

家を空けて行けるわけないじゃんw」

 

なんでも某メーカーの全国集計で売り上げトップクラスに

になったので表彰をしてもらえるとの事だった。

 

そしてその後、たびたびメーカー表彰に招待されるも

ご主人のお仕事を最優先されていたので行かなかったらしい。

 

もはや取引メーカーの営業さんもSさんの事は

一目置いていて、自社の専属販売員にしたがっていた。

 

Sさんとはご縁もあり、その後も別の量販店で

ご一緒させてもらったのだが常にそんな感じだった。

 

一般的にトップセールスと呼ばれる人の特徴として

自分が想像していたのは

  • 販売商品に関する知識は誰にも負けない
  • 顧客へのアプローチを常に欠かさない
  • 努力家

のようなストイックな人物イメージだった。

 

もしかしたらトップオブトップセールスはこういう

人たちなのかもしれないが、Sさんは違っていた。

 

休憩室に設置されたホワイトボード上の

Sさんの名前の上に、商品販売数を示す花が

他の販売員を差し置いて次々と貼られていく様を

間近に見ながら「この人いったい何者だw」と

毎日ながめる日々が続いた。

 

ある休日、自宅で使用する小物を買う為に

普段は職場である家電売り場に私服で

出向いた事があった。

 

普段は仕事の用件でSさんとのやりとりは

店内で頻繁にするにも関わらず、

実際に彼女が普段どのような態度で

接客をしているのかをじっくりと見る機会は

いままでなかった。

 

その時点でSさんは当然の事ながら

完全に白物(冷蔵庫・洗濯機)売り場の

専任パートさんになっていた。

 

「これはチャンス」とばかりに店内を商品を

物色するフリをしながら、遠目でSさんが

どういう動きをしているか観察してみる事にした。

 

当時の自分にとって、それは驚きの連続だった。

 

①別格のニコニコ笑顔

Sさんは冷蔵庫と洗濯機売り場を見渡せる

ちょうど良い位置に立ち、手を前に添え

足をしっかり揃え直立不動の状態で

周りを「ニコニコ」しながら見渡していた。

 

いわゆる営業スマイルとは別格のものだ。

 

この時点で他の販売員とは動きが違っていた。

 

他の販売員は周りをうろうろしたり、

近くの販売員とおしゃべりしていたり

そもそもニコニコ笑顔でなど誰1人いない。

 

試しに近くの家電量販店でもアパレル店

でも接客が基本の小売店に行ってみるといい。

自分はSさん以外であんな待ち方を

している人は一度たりとて見た事はない。

 

その笑顔は

今日これから何か楽しい事を予定している

行事が待ちきれないような感じだ。

 

②お客様に声を”掛けない”?

笑顔までなら実践している人もいるだろう。

 

だが、Sさんはお客さまがご家族(たいがいは

奥様が物色している)でいらっしゃってる

所をじっと笑顔で見守っているだけで声を

一切掛けていなかった。

 

お客様が目の前を通り過ぎる時も

軽い会釈と「いらっしゃいませ」しか言わない。

 

接客業は商品を物色している人にとりあえず

声を掛けるものだと思っていたのだが、

びっくりするくらい長時間声を掛けない。

 

見ているこちらがハラハラするくらい

ジーッとご家族やお客様を見続けていた。

 

これについては後日聞く機会があった。

「お客さんがいろいろ見ているところを

邪魔しちゃ悪いでしょ。お客さんが顔を上げて、

こちらに何か聞きたそうだなあって顔を向けた

タイミングでスッと近づいていくの。

声をかけられるのが嫌な人もいるからね」

 

③一瞬でもう友達

冷蔵庫・洗濯機の購入選択権は100%奥様

というのは世界共通のルールだろうw

 

Sさんと奥様が話を始めるやいなや

ケラケラと笑い声で談笑を始めていた。

どう考えても商品の機能の話ではない。

 

しまいには旦那さんも会話に参加して

笑っている。

 

この日、奥様は何も買わずに

Sさんと楽しいおしゃべりをして

帰っていったような感じだった。

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自分が見ていたのは

恐らく1〜2組だけだったと思うし、

時間で15分も見ていなかったはずなのだが

完全に接客というものの価値観が変わってしまった。

 

というか、あれは接客とか商品を売るとかいう

類のものではない。

 

お客様を友達にしているような

仕事と言えばいいのだろうか?

 

実はSさんは若かりし頃、

 

日本を代表する名門ホテルや

ゴルフ場の支配人としてご活躍された

テルマンのご主人とご結婚されて

退職するまで、関西の超名門ホテルの

ホテルウーマンでいらっしゃった。

 

テルマンとホテルウーマンの仕事とは

 

「ホテルに滞在するお客様が

常時快適に過ごせるような

きめ細やかなサービスを提供する仕事」

 

と言えるだろう。

 

 

Sさんはどう考えてもモノを売ってはいなかった。

 

なにか、お客様を気持ち良い気分にさせて

いるのが仕事のようだった。

 

後日、仕事中に注意深くSさんを観察していると

Sさんを訪ねてお客様が毎日途切れず来訪していた。

 

いわゆるリピーターだ。

 

リピーターのお客様はもう確実に買いに来ていた、

Sさんだけから買うために・・・。

 

 

自分がブログ運営を続ける内に

当時のSさんの事をよく思い出すように

なっていた。

 

現在ブログを3ヶ月続けているのだが、

そのほとんどの記事が「自分発信の一方的な情報」

に偏っている事は承知しており、

 

このブログに来訪していただいている

数少ない「お客様」が心地良く帰って

いただいているか正直疑問に思っている。

 

実際に人間と人間が面と向かって

顔合わせする事とインターネット上で

仮想のやり取りをする事には大きな違いが

あるかもしれないが、最終的には

訪問者に満足して帰ってもらい、

また再度来訪していただかなければ

単なる趣味で終わってしまう。

 

一度会話したお客様をかなりの確率で

リピーター化してしまったSさんに

ブログ運営で学べる事があるとすれば

、それはテクニック論ではなくて

 

また訪問したいと思えるような

記事を書ける”自分の人間性”を高めること

 

なのではないかと思うに至った。

 

今も定期的にお会いするSさんは

常に素敵な笑顔に好奇心満々の表情で

近況を楽しそうに話される。

 

自分はSさんとのランチのリピーターだw

 

記事作成に毎日頭を悩ませたり

しかめっ面で記事を書いたりするよりも

毎日ブログを書くのが楽しくなるような

状態にまでぜひ自分を持っていきたい。

 

そろそろSさんをまたランチにお誘いして

いろいろな話を聞きながら、パワーを

もらってこようか。

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